10月, 2012年

ダメな自分を好きになる

2012-10-26

私は、ダメ人間が登場する小説や映画が大好きです。最近のお気に入りは、西村賢太氏の小説。「苦役列車」で芥川賞を取って、一時期話題になりました。氏の小説の主人公は、どうしようもないダメ人間です。

風俗嬢に恋をして、金を数十万だましとられる、せっかくできた彼女に手を上げる、友達に嫉妬して暴言をはいて友達をなくす等々、失敗ばかり。ところが、これがすごく面白い。なぜかというと、このダメ人間に嫌悪感をおぼえながら、共感してしまうからです。共感するということは、私はこの主人公と同じくダメ人間だということが分かります。

ところでこの西村賢太氏の小説の内容は、全て自分自身の実体験だそうです。自分のダメさをさらしながら作家活動を続けているわけです。

 

最近、ある本で「ダメな自分を好きになる」ことができると、楽に生きていける。また、相手のダメなところを受け入れられるようになり、相手を好きになれるという内容を読み、とてもスッキリと納得しました。

私は20代のある時期、仕事が思ったように進まず、仕事の内容も、仕事ができない自分も大嫌いでした。そのころは、いつもイヤイヤ会社に通い、しかめ面をしながら仕事をしていました。日々の生活がただイヤで、前向きな気持ちになることはほぼありませんでした。今では、好きとまではいかなくても、ダメな自分をある程度受け入れ(諦め?)て、なるべく前向きに進むことができていると思います。

ダメな自分を受け入れることができれば、ある程度冷静にダメなところへ対策を打つことができます。また、ダメな自分のままでもいいや、と完全に受け入れ(諦め?)てしまう方法もあります。私は以前、自動車会社で部品メーカーと価格折衝をする仕事をしていながら、気が小さくて強く交渉に臨むことができないダメ交渉人でした。そこで、私は強気で交渉することを諦めて、相手の言い分をしっかり聞き、自分の言い分を説明して、妥協点を探ることを心がけるようにしました。このおかげで、相手とある程度信頼関係ができ、仕事もうまく進むようになったように思います。

 

前述の西村賢太氏は、間違いなくダメな自分が大好きなはずです。ダメな自分を題材にして小説を書いて成功しているわけですし、こんな失敗ばかりしている人でありながら、テレビで見る限りはいつも明るくニコニコしています。まさに「失敗は成功の母」ですね。

私は20代の自分が大嫌いだった時期に西村賢太氏の小説を読んでも、嫌悪感をおぼえるだけで、面白いと思えなかったかもしれません。今では完璧な人間はいない、ダメなところがあってこそ人間は面白いと思えます。

この考え方は、人間に対してだけでなく企業に対しても同じです。自分の働いている企業はダメだと思って嫌うのではなく、ダメさを受け入れて、そのダメさを克服する方法を考える。もしくは、ダメな部分を個性として完全に受け入れて、強みを伸ばすことに注力することもできます。

この世に完全な人間や完全な企業はありません。だったら、悩むよりも現状を受け入れて、前に進むことを考えた方がよっぽど気が楽だし、生産的ですよね。

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